- 職場の人間関係がつらく、早期退職に興味があるけど、辞めたら後悔するかもしれない…
- 退職金はいくらもらえるのか…
- 仕事量が多い…定年より早く退職してたくさんの自由な時間が欲しい
今40代の方は、公務員生活も約半分を過ぎ、定年までの道筋が朧げに見えてきたと思います。

このまま定年まで公務員でいいのか…
早期退職に興味を持つ人も多いです。
しかし、退職後の生活を想像すると不安が大きくなり、踏み出せない場合がほとんどです。
私は40歳を過ぎてから民間企業に転職しました。転職後は、自分の人生を歩めている実感があります。
しかし、公務員を早期退職すると決意するまでは、あなたと同じような悩みを抱えていました。


そこで、この記事では主に2つのパートに分けて、前半では40代で早期退職した場合の退職金額、後半では早期退職することのメリットやデメリットなどについて解説します。
- 退職金の計算方法と年齢別退職金額
- 著者が実際に受け取った退職金額
- 早期退職するべきか、それとも公務員を続けるべきか
私が、17年間公務員として働いてきた経験と、早期退職した経験を踏まえて解説します。
結論、公務員の仕事内容に不満がある方は早期退職を検討する余地があります。
人間関係や業務量で悩んでいる人は、まずは異動や休職なども選択肢に入れてみましょう。
早期退職しようか悩んでいる人はぜひ最後まで読んでください。




すずき
公務員として新卒から17年間勤務。管理職も経験。40代で民間企業に転職しました。
自分の経験から、管理職公務員の悩みの解決方法や転職のノウハウをお伝えしています。
40代で退職した場合の退職金は?
退職後の生活設計の大切な退職金。前半パートでは早期退職した場合の計算方法や目安を説明していきます。
通常の退職金計算方法と勤続年数別目安


国家公務員の退職金は以下の式で計算されます。
退職金 = 退職時の俸給月額 × 支給率 + 調整額
各要素の説明をしていきます。
退職時の俸給月額は退職時点の「基本給」にあたる金額です。
給与明細の一番最初に記載されているやつですね。


支給率は勤続年数に応じて決まるもので、年数が長いほど高くなります。
例えば、国家公務員(一般職)の自己都合退職であれば、勤続20年で約22か月分、勤続30年で約32か月分などとされ、つまり俸給月額に22や32を掛けるということになります。
また、退職理由によっても異なり、自己都合よりも定年退職の方が多くなります。
調整額は働いた期間の長さに応じて支給されるもので、「長く働いてくれてありがとう。退職金プラスするね」というようなニュアンスのものです。
40代で退職した場合の退職金の目安を計算
上記の式に基づいて、退職金を計算してみます。
支給率は国家公務員退職手当支給割合一覧を参考にしています。前提条件は下記になります。
職種 | 国家公務員(一般職) |
---|---|
退職理由 | 自己都合退職 |
勤務開始年齢 | 22歳(新卒) |
退職年齢 | 40〜49歳 |
勤続年数 | 18年〜27年想定 |
俸給月額 (仮定) | 30万円(平均的な中堅職員を想定) |
調整額 | 勤続年数に応じて加算(仮定値) |
結果は以下のようになりました。
年齢 | 退職金 | 支給率 | 勤続年数 |
---|---|---|---|
40歳 | 約538万円 | 15.29199 | 18年 |
41歳 | 約574万円 | 16.49727 | 19年 |
42歳 | 約670万円 | 19.6695 | 20年 |
43歳 | 約720万円 | 21.3435 | 21年 |
44歳 | 約770万円 | 23.0175 | 22年 |
45歳 | 約820万円 | 24.6915 | 23年 |
46歳 | 約870万円 | 26.3655 | 24年 |
47歳 | 約921万円 | 28.0395 | 25年 |
48歳 | 約961万円 | 29.3787 | 26年 |
49歳 | 約1001万円 | 30.7179 | 27年 |
地方公務員の場合でも基本的には国家公務員に準じて計算方法が決定されるので、大きくは異なりません。
こちらの結果は概算になりますので、正確に知りたいときは人事課などに問い合わせてくださいね。
早期退職制度を利用した場合の退職金はどれくらい?



通常の退職金の額は分かったけど、早期退職制度を利用したらどれくらい増えるのだろう?
早期退職制度は一般的に、勤続年数が20年以上で、かつ定年までの残り年数が15年以内(例えば、定年が60歳の場合は45歳以上)であれば応募可能な場合が多いです。
定年までの残り年数に応じて割増しされるので、既に45歳以上の方は検討の予知ありです。
応募するだけではダメで、各省庁・自治体の長に認定されなければ適用されません。
仮に認定された場合、退職金がどれくらい増えるか計算してみました。
職種 | 国家公務員(一般職) |
---|---|
勤務開始年齢 | 22歳(新卒) |
退職年齢 | 45〜49歳 |
勤続年数 | 18年〜27年想定 |
俸給月額(仮定) | 30万円(平均的な中堅職員を想定) |
調整額 | 勤続年数に応じて加算(仮定値) |
定年 | 60歳(=残年数 15年〜11年) |
割増率 | 残年数 × 3%(最大45%) |
支給率 | 国家公務員退職手当支給割合一覧を参考 |
年齢 | 退職金 | 勤続年数 | 支給率 | 割増率 |
---|---|---|---|---|
45歳 | 約1,408万円 | 23年 | 30.50865 | +45% |
46歳 | 約1,439万円 | 24年 | 31.8897 | +42% |
47歳 | 約1,467万円 | 25年 | 33.27075 | +39% |
48歳 | 約1,499万円 | 26年 | 34.77335 | +36% |
49歳 | 約1,527万円 | 27年 | 36.28395 | +33% |
いかがでしょうか?自己都合退職の場合と比べて約500〜600万円も増額されます。
条件を満たしている方は早期退職制度の応募を検討してみましょう!
著者の退職金の額を公開!
私は勤続17年で退職しました。早期退職制度の条件は満たしていなかったので、自己都合退職となります。
金額は560万でした。
先ほどの計算例と比べても大きな誤差はないですね。



早期退職制度、使用したかった、、、
あなたは早期退職しても大丈夫か?
後半パートでは早期退職のメリット・デメリット、早期退職したい理由と解決方法などを解説します。
参考にしてみてくださいね!
早期退職するメリット
早期退職するメリットは以下の4つです。
- 自由な時間が増える
- 若い内に他の仕事の経験を積める
- 再就職は難しくない
- 民間転職しても副業ができる
順番に解説していきます。
自由な時間が増える
転職ではなくフリーランスとして働く場合です。
何時から働くか、どこで働くかも自由に選べますので、趣味や家族との時間も取りやすくなります。


逆に、自己管理ができない人はダラダラ過ごしてしまいがちです。ただ、公務員として長く働いてきた人は自己管理もできている方が多い印象です。問題なく仕事と家庭のバランスをとりつつ働くことができるでしょう。
若い内に他の仕事の経験を積める
公務員の他にやりたい仕事があるのなら、早期退職はおすすめです。
60〜65歳で定年してから他の仕事につくと、体力的にきつくなります。また、仕事の進め方も若い方が覚えるのが早いです。


私も現在は民間企業で働いていますが、繁忙期でも無理は効きますし、会社独自の業務内容にもスムーズに慣れることができました。
他に挑戦したい仕事があるのなら、早期退職という道も前向きに検討してみてはどうでしょうか。
転職は難しくない
40代で転職することは世間一般のイメージよりも簡単です。
大手転職サービスのJACリクルートメントが発表している年代別転職成功者割合でも、40代の転職者割合は30代に次いで多くなっています。


私も実際にJACリクルートメントのエージェントと面談をした際には、40代での転職はむしろ早い方で、50代・60代でも可能と言われました。
転職に興味がある場合は、エージェントに相談してみましょう。公務員の他にやりたい仕事が見つかるかもしれません。
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早期退職するデメリット
早期退職にはメリットだけではなく、デメリットも存在します。
- 安定した給与はなくなる
- ローンは組みにくくなる
- 転職先が合わない可能性
良い面、悪い面、両方を踏まえて早期退職するか検討しましょう。
安定した給与はなくなる
フリーランスとして働く場合はもちろん、民間企業に比べても公務員の給与は安定しています。
コロナ過でもボーナスが満額支給されましたよね。
私の妻は民間企業で働いていたのですが、コロナ過ではボーナスが全額カットされました。


給与はもちろん、手厚い福利厚生なども失うことはデメリットと言えます。
ローンは組みにくくなる
公務員の社会的信用はまだまだ高いです。公務員の身分を失うと住宅ローンやカーローンなどの審査に通りにくくなります。
私も住宅ローンの借り換えを公務員の退職までに済ませておきました。
退職後だと、ローンの契約のハードルが以前より高くなる場合もあると覚えておきましょう。
転職先が合わない可能性
公務員を辞めて転職した先の職場が自分と合わないと「やっぱり辞めるんじゃなかった…」と悩むことになります。
しっかり準備して転職活動を行っても、働いてみないことにはその職場の本当の雰囲気などは分からないからです。


私も転職してみて、公務員時代とは違う環境に戸惑うことも多かったです。
全ての理想が叶う職場はありません。転職する場合は、年収や通勤場所、休日など優先順位をはっきりと決めて活動していきましょう。
早期退職したい理由と解決方法
これまでみてきたように、早期退職にはメリット・デメリットがあります。
すぐに退職!と意気込む前に、早期退職したい理由と解決方法を考えましょう。
理由①:職場の人間関係がツラい
公務員を退職したい理由で多いのが、「上司や同僚、部下との関係がうまくいっていないから」です。
職員数も多いため、仕事に対する考え方も様々なので衝突することもあります。
辞めたくなる時はあると思いますが、まずは年休を取得して一旦休む。
それでも回復しないようでしたら休職も視野に入れて自分を労りましょう。



私も公務員時代、上司と合わない時はちょくちょく休んでいましたね。
退職や転職は心身が回復した状態で考えるべきです。
追い詰められた状態では適切な判断ができなくなるからです。
異動などで状況が改善する可能性もあります。落ち着いて行動していきましょう。
理由②:業務量が多い
40代になると管理職に昇進することも多くなります。部下のマネジメントや上司への調整など、通常の業務以外にもやることが増えます。
自分のキャパシティーを超えていると感じる時は、上司に相談して業務量を調整してもらうか、異動などを考えてみましょう。


理由③:公務員の仕事内容がつまらない
40代になると公務員生活も半分近くなり、仕事のイメージもわかります。部署移動によって、担当業務が変わることはありますが、特に管理職では大きくやることは変わりません。
部下(係内)のマネジメント、予算管理、課内・外の調整が主となります。
公務員の仕事に興味を失いつつあるのであれば、転職を検討してみましょう。


転職エージェントに相談すれば、自分の能力に適した企業を紹介してくれます。
自分のやってみたい仕事や、やりがいを感じられる仕事に携われるかもしれません。
今すぐ転職するつもりがなくても、エージェントにキャリア相談を行うことも可能です。
もし公務員の仕事に以前ほど魅力を感じなくなってきているなら、新しい道を考えてみるのも一つの選択肢です。
転職という選択を視野に入れてみましょう。
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まとめ:早期退職のメリットとデメリットを理解して、自分に適した選択をしよう
今回は公務員が早期退職した場合にもらえる退職金の額と早期退職の良い点・悪い点について解説しました。
また、早期退職したい理由と解決方法についても説明しました。
公務員の仕事内容に不満がある人は、退職金を踏まえた生活設計を行い、早期退職を検討してみましょう。
職場の人間関係がツラい、業務量が多いなどの悩みを抱えている方は、まずは現在の職場の制度などを活用することによって解決できないか考えてみましょう。
転職に興味がある人は下記の記事も参考にしてみてください。


以上、すずきでした!
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